887/1695
突っ張るばかりの男
と男である筆者は考えたものの、女の側の本音はどうかと思った。ウチの夫婦は懇談が多い。懇談とは懇( ねんごろ)に行う談話で、ウチでは多すぎる嫌いがある。毎回懇談で配偶者が99%しゃべり筆者は1%であるが、彼女はこうしゃべった:
「女は人類の発展や進化論の為に生きてるのじゃないわ。自分の幸せの為に生きるべきよ」
「確かに、そりゃそうだ。イチ女にとっては、人類の幸せは一番目じゃないよな」と、筆者は賛同した。この点については一致していてもそれが何故かについては、意見が分かれるのだが、家庭平和の為を思って異論を挟まない。
「強くなった女を、男が敬遠しがちになるというのは分るわ。やたら突っ張るばかりで、男って案外気弱なのよ」と、ややさげすんで図に乗った。
「だろうーーー? 男が敬遠するから少子化になるんだよ。これ、進化論の積りなんだけどよ」と、筆者。
「それに女は、国の少子化防止政策の為に生きてるんじゃない」
「そりゃそうだ。女の幸せの為が一番で、国に協力するのは三番目位でいい」と、こっちは議論を避けながらも油を掛けた。




