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生徒会長

 何も冒頭のS子の例だけに限らない。身内の自慢に聞こえて恐縮だが、筆者の孫は中二(横浜市)の女の子であるが、昨年の十月から生徒会長になった。悪い事ではない。昨今の事だから選挙運動もやったとか聞いた。昔(筆者が同年代の頃)は、生徒会長と言えば男子生徒と相場が決まっていたもので、女の生徒会長なんて日本中に存在しなかった。祝福の言葉を贈ってはやったが、正直驚いた。


 筆者の配偶者も驚いたが、こう漏らした:「本人には言えないけれど、将来あの子は結婚出来ないかも知れない。結婚しても結局破綻するかもーーー」

 そして慰めるように付け加えた:「人生、結婚だけが幸せとは限らないーーー、やりたい事をやる方がいいわ」

(★このエッセイが孫の目に付かない事を祈る:彼女がウチの会社を将来支えるだろうと期待しているから)


 先に紹介した鉄の女のココ・シャネルは強いばかりではなくて、実は矛盾した事も言っている:「(私以上に)強い男でなければ私と一緒に暮らすのはとても難しい」と言う一方で、「老若に拘わらず、女の幸せは愛される事にある」と本音を漏らしている。男が愛し女が愛される図式である(女が男を愛しーーーの順序ではない)が、この言葉の裏に進化論の科学が見え隠れしている気がする。


 女性は子供を生めて男には生めない。これが一つの証拠として、男と女の資質の違いと差別が厳然と存在するのは仕方が無い。同じような見方に立てば適性や好みの違いから、仕事の面でも格差が生じるのは仕方ないように思う。無理に互角・互角と言い張るなら、図らずも筆者の配偶者(女自身)がほのめかしたように、女は結婚の機会を犠牲にしなくてはならない。


 そんな意味で女が「思うように自由に生きる」のは難しい気がして、女性にエールを送りたい筆者としては気の毒に思う。だからこそ「女らしく・男らしく・看護婦」などの言葉に過剰反応するのは、互角を求めて何か無理に背伸びをしているようで、いかがなものかと思う。



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