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ホー、ホッホッ!

 心から温かなサヨナラを言ってはくれたが、初めからL子にそんな気は無かったかも知れない。Y子より大人であったし賢かったL子は、筆者の曖昧な前途に賭けるよりも、青年実業家という確実性を優先した。テイファニーのミス・ホリーも心から好きだったのに、「駆け出し」の食うや食わずの小説家の卵ではなく、現実の超富豪の男を優先したのである。


 ミス・ホリーもそうでL子もそうだったろうが、結婚が先で愛情は後から湧いてくるという方針だった。なに、恨むほどの悪事ではない。女の人生は間違ってもカスの男を掴んではならないからで、ダーウインの法則で、女はそのように生物的進化を遂げて来たのである。


 結婚は七つ年下のY子との間で筆者の方が先んじた。これにつられたかのように半年後にL子も結婚した。L子の結婚式には出席しなかったが、ユーモアを込めて筆者はカタカナの祝電を送った:「コングラ・チュチュ・レイコ・シヨヨン!」(=Congratulation! おめでとう)電文の中に彼女の名前を潜ませた。式場で受け取ったL子は、「オー、ホッホッホ!」と勝ち誇ったように高笑いしたに違いない。これをじかに聞けなかったのは残念だった。

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