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トンカラリ

 人生の伴侶になった英語であるが、親しい伴侶ともなると英語を一つの言語として客観的に眺める時がある。そんな時に日本語との性質の違いをつくづく感じる:


 例えば日本語では「シクシク泣く・ハラリと落ちる・シンシンと夜が更ける・土筆がニョッキリ頭を出すーーー」と表現する。ちょっと思いつくだけでも様々だ。童謡でも(七夕で)「♪笹の葉サ~ラサラーーー♪」と謳う。それにしても、トンカラリとはどんな音なのかな?


 私達日本人は日常的に無意識に接したり使っているが、リズム豊かで感覚の表現が上手だ。「(雨が)シトシト降る」なんて、たった六文字で既にひとつの詩になっている。言語に含まれる情緒の豊かさは誇ってよいもので、外国語を学んで初めて知る日本語の美しさだ。世界でこんな言語が日本語以外にあるのかと思う。

 こういうのはどんなに頑張っても英語に「訳せない」から、筆者から見れば英語は情緒に乏しいと感じる。


 The door flew open.

 これを辞書を引いて逐語訳すると、(そうなり勝ちだが)ドアがあたかも飛ぶようにして開いた、という意味になる。ウチの塾ではリズム感を優先して「サッと開いた」と訳しなさいと教える訳だ。英語には「サッと」というのが無い。

 合間に文法も教えながらやるから、一日掛かっても2ページも進めない日が多い。

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