行列と汽車
教師が言うのに:世に多くの辞書がある。けれども殆どの辞書では、便利の為だろうが、言葉の意味が「良く使われる」順番に並べて書いてある。けれどもxxx社の辞書は、そうではなく生まれた原義から順に並べてある。
なるほど世の中には不便な辞書があるんだな、誰も買うまいとこっちは思った。
教師は続けて:一例として、trainの意味を引いてみなさい。一般の辞書はどれも最初に出てくる意味は「汽車・列車」である。けれどもXXX社の辞書では「列・行列」が最初に現れる。正しく理解するには言葉の由来と歴史を知るのが大切だと頑固に主張した:
trainの元々の原義は行列だったんだよ。時代が下がって汽車と言うものが初めて世に出現した時、適切な言葉が無くて困った末、車両が行列みたいに繋がった様子を観てtrainを「当て字」した訳だ。今はこっちの方が主流になっているがねーーー。
辞書を徹底して精査して意味を掴かみ出せと教師は教え、授業は毎回そんな風に進められた。
非常にこまごまと神経質な授業で筆者も大いに辟易したが、英文の解釈は一字一句カミソリで削いでゆくような正確さがあり、まるで数学の問題を読み解くような印象を持った。




