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大変名誉なこと

  *

2021.xx月XX日

xxxM&A社

 xxx様


 「弊社の株式を譲り受けたい企業がある」(=買収したい)との通知を、先般いただきました。弊社の価値を評価して頂いた結果と思えば、大変名誉なことです。

 ですが、お相手がどこの企業なのか知りませんが、会社を売るつもりは今の処ありません。

  

 しかし、その企業さんにお伝え下さい:

 弊社を買収したいと考えるのは、恐らく弊社の「開発技術を欲しい」のではないかな、と推測いたしました。ですから、もし技術(以下の3件)を望むなら、製造技術指導も含めて適切な対価で「売る」用意があります。

①A製品の技術

②B製品の技術

③C製品の技術


 ★3件とも国際特許を申請し既に一部成立取得しております。それぞれ上質な技術で第三者からも高い評価をうけています。が、弊社で製造する予定はありません。本業と異なる分野ですし、自前の工場を持っていないのが最大の理由です。三点を合わせて市場規模(世界中で)は数百億円(20年単位で)と計算しております。

   

 先の会社がもし技術を欲しくないのであれば、それは構いませんが、代わりに貴社XXXM&A社で「技術の譲渡先」を探してくれませんか? 貴社ではそんな仕事はやらないのでしょうか? 弊社では世界的な視野で譲渡先を求めています。


 どうぞ宜しくお願いします。


草々

  *

 こんな機会を逆手にとって新技術の売り込みを図ろうという訳だから、ウチも転んでただは起きないタイプだ。

 しかし、書信を返した後で独り静かに思った:そんな虎の子の技術を自社で生かすことなく譲渡してしまおうというのは、それが有望であればあるほど、表面の理由はどうあれ創業者が次の世代に期待を掛けていないからだ、と人はそう取るかもしれないなーーーー。



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