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冷汗とラッキーの組み合わせ

 因みに、ウチは外資系会社。株式は非公開だが、数年前まではドイツ人の株主が数人いて株式の過半数を保有していた事がある。


 当時ちょっとした切っ掛けがあって、たまたまウチが彼らの株式を全数買い取ったのだが、それは2億を超える莫大な金額だった。無理をして買い取っていて良かったと今にして思う。もし大金に逡巡して買い取りを実行してなければ、そして今回のような事態が起これば、今頃大慌てでドイツ人から株を買い集めなくてはならなかったろう。

 足元を見られて恐らく割高な株価で買わされた事になったろうから、思えば冷や汗ものだった。不思議に、筆者の人生は冷汗とラッキーの組み合わせが多い。


 そんな次第で現在はウチが100%を保有しているが、非公開会社であっても、一族以外に株主が存在する時は、油断は禁物と教えられた。いやいや、今度は45%を保有する大株主である配偶者が反乱を起こすと、これまた100%安全とは言えない。夫婦喧嘩をしないように努めているが、歳が入っても筆者の心はなかなか安らかになれない。


 今回の事態は呪文一つ唱えて楽々切り抜けられるが、危うく日本市場からウチが一掃される処であったのだ。




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