表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
830/1693

シャンとする

 まず、先の船の正解は:船外から見れば船が動いているか停泊しているか一目でわかる。けれども船内にいたらそうは行かない。


 分る方法がある。(音や振動は別にして)航行している船は(或いは、モータボートみたいに疾走している船は)「揺れない」(揺れが小さい)。が、停泊している船は波のまにまにゆらりゆらりと「不安定に、大きく揺れる」。普段の観察力をチェックさせて貰ったが、指摘されたら思い当たる人が多いに違いない。

 自分の意思が無いみたいにゆらゆらしていた船は、エンジンを掛けて走り出すと揺れがビタリと収まり、シャンとなる。だから目をつぶっていても、乗船しておれば違いの判別が付くという訳だ。


 これは物理の慣性の法則で、回転していない独楽こまは倒れるが、高速で回転している独楽は(同じ姿勢を保とうとして)倒れない(=シャンとしている)のと同じ理屈だ。法則の応用範囲は広く、「ダラダラせずにシャンとしなさい!」としっかり者の母親は、そう言って子供に物理学でねじを巻く。

  

 そんな船の動きは、人の人生みたいな処がある。目的を目指して真っすぐに進んでいる人は、目つきも定まってエンジンが掛かっているように見えるし、歩く姿もシャン・シャンしている。通勤電車内で痴漢をやったり盗撮をやるヒマは無い。

 停泊している船は波のまにまに揺れるが、自らの意思でゆれるのではないから、人で言えばシャンとしていない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ