発明家になれる
筆者はこんな風な事を考えた:
筆者が住んでいる世界はネジという狭い分野である。狭いながら何処にでも使われる部品なだけに、ネジについて多くの人が製造・販売・使用に関わっている。証拠に、ネジを締めた経験が一度も無い人は世間に一人もいまい。
ネジの歴史は数百年と古く、多数の人が身近に接し、世間にあふれるネジの数だのに、なぜ自分一人にネジ関係で複数以上の発明が(今頃になって)出来て、他のとても多くの人たちには筆者と「同じ発明」が今日までになされなかったのか、と疑問に思った。思えば不思議な現象だ。
筆者の発明したのは、いわば「三角形の内角の和が180°」というような、とても単純な(=決して高度でない)理屈に基づいているからでもある。つまり誰でもが思いつきそうなもの。
申請するときに、こんなものが特許になり得るかと最初は疑った。なぜなら既に100万人位の人が同じことを過去に考えたに違いないと推測したからだ。けれども申請後の調査で分かったのは: 「誰でもが(先の発明を)出来そうなのに、実は誰にでもは出来ない」という事実だった。
客観的に見て、(他者に比べて)筆者が格別頭がいいと言う訳でもないし、決して新たなアイデアやヒラメキがずば抜けて豊かという事もない。いわゆる人の平均の範囲内だ。自分に出来て他の人達に出来なかった、この理由の不思議さを筆者は知りたい(解明したい)と思った。
きっと何か理由があるに違いない。解明できたら、今後は誰でもが発明家になれるじゃないか。多分、人の幸福にもつながる。




