人には寿命という限界がある
日本電産に限らず、また会社の大小にかかわらず、成功的な創業者は何かしら実行哲学を身の内に持っている、と筆者は考えている。老舗の店が創業者精神として残す「家訓」も、実行哲学の一つと思う。後を襲った二代目三代目が上手く行かない事は世間に往々目にするが、後継者が優れた自身の「哲学」を身に付けられなかったせい、と筆者は観ている。
筆者はこの数年「ネジに関係」した新製品を幾つか開発した。今も新たなアイデアを得て実験を継続している。これらの活動が(秘かに?)「哲学をする事」に関係していると思うのだ。だから先にソクラテスを初め、哲学を持ち出した理由なのである。
開発したのはどれもヒットしそうに思い、周りもそう見ていて、未だ製品化していないのに伝え聞いて引き合いを寄せてくる顧客もある。けれども製品化(=販売の開始)しているのは、それらの中で未だ一点だけで、他の数点は自分の年齢を考えると、市場への投入が自分の元気な内に間に合うかどうかは分からない。
けれども、間に合わない分を急がせようとは考えていない。筆者の後に続く(開発の)人材の人員の不足と自社の資金的な力も関係しているからだ。現実的な判断で、仕方が無いと諦めている。(アイデアがあっても)人には寿命という限界があるのを実感させられる昨今である。




