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近代化へ脱皮する節目
さて、筆者との喧嘩を通じて、FN社の部品の製造経験は、ミロク社に加工精度に対する認識の重要性と、銃の製造において会社が職人芸から近代化へ脱皮する節目になったのは間違いない。多大な貢献者である。
そう自負しているのだが、残念な事に筆者の銅像がミロク社の広い構内に、建てられたとは未だ聞いていない。その内除幕式に主賓として参列したいものだ。
なお、ミロクで部品を作りFN社で組み立てられていた名銃ブローニングAuto-5は、筆者が会社を辞めた後の2000年頃に生産取りやめとなったと聞く。さもあろと(今の)筆者は内心で思う。スポーツ銃、或いは狩猟用とはいえ、生き物を殺す道具なのだから、もう時代の流れに乗る事はないだろう。我が国で刀も弓矢も作られなくなっているのと同じだ。
なお、筆者はそのように生産減が兆し始めた頃、つまり完全に生産中止になる15年ほど前に、解雇され職を失った。本社へ来るかと上司に声を掛けられたが、割り増しの退職金を貰って辞めた。当時700万円程だったか。




