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三次元プリンター

 受託する下請け(ミロク製作所)は「不必要に複雑化した」図面通り作らければならず、勝手な寸法変更は出来ないから、コストダウンのやりようがなかった。 今日の技術の「三次元プリンター」でならば、ようやく案外上手く出来るだろうとは思うが、無論30数年前には我が国どころか、世界中にそんな技術は無かった。半導体が無かった。


 コストダウンのやりようが無いならば、荒っぽく素材をプレスで打ち抜いた後を、(韓国の中年女性が引き受けていた通り)ヤスリの手仕上げでやる以外に無い。機械で三次元曲面を加工するなら製造費が単価数万円を下らない部品が、数千円で出来たからだ。


 ミロク社と部品精度について喧嘩をはちまくりがら、筆者が受託下請け先をミロク以外に探そうとしなかったのは、コスト的に外に引き受けてくれる処が日本中に無いと、分かっていたからだ。理想の図面と現実の工場の間で精度について筆者は妥協せざるを得なかったし、手作りを受け入れざるを得なかった。


 こんな風に100年前から変わらない、ある意味(改良されようとしない)図面を使い続けるというのは、おかしな事だろうか? Auto-5銃は最も極端なケースかも知れないが、現実には大なり小なり何処にでもある気がする。今のウチにもありそうだ。



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