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圧縮される

 大事なのは「ここ!かも知れない」と考えた。先のT字型とねじの違いだ。


 一般の人はこんな現象を知らないと思うが、強い力でナットを締めるとボルトというのはギュッと引っ張られて長さが僅かに「伸びる」のだ。大袈裟に書くとゴムで出来た棒みたいにである:これを言い換えると、ボルトのネジのギザギザ部分が「間延び」して、つまりネジ部の「谷部分の幅」が広がってスペースが僅かに広がる。


 広がった処に液体のロックタイト剤がしみこみ、しかも体積変化無しだから隙間無しに固体化して、そこへビッチリ充填されてるって訳だ。ここが大事だが、ナットが僅かでも緩もうと動く(=回転する)と、(伸びていた)ボルトが元の長さへ「縮もうとする」。


 ところがどっこい、ネジの谷間にはサンドイッチされて固化した(=プラスチックになった※)ロックタイトが存在するから、邪魔されて縮む事が出来ない。逆に言えば、固化したロックタイトは強い圧縮力を受ける。

 ※圧縮される為にはある程度の「硬さ」が必要で、例えばスポンジのように柔らかであってはいけない。これは先の①と②の条件にプラスされるべき追加の条件になる。


 サンドイッチならパンが動いても卵焼きが圧縮される事はないが、ネジだからこそナットが身動きすると、(間に挟まれて固化したロックタイトは)強く圧縮を受ける(=反発の力が発生!)。反発されて逆に「締まろうとする」のだ。だから結局緩まない(緩み難い)のである。



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