サンドイッチと卵焼き
ロックタイトの場合、狭い空間に入って空気(=正確に言えば酸素)を遮断されると時間を掛けて固まる性質がある、のをメーカーから予め聞いていた。
(なお、コンクリート(セメント)が乾いて固まるという言い方をするが、本当は水が蒸発したのではない。実は水とセメントの成分が化学反応を起こし「水が他の物質へ変化した」(固いコンクリートの一部になった)のである。蒸発しないから、やはり体積変化を起こさないのである)
ロックタイトもセメントが固まるのと似ていて、乾燥して何かの成分が蒸発する訳ではないのだ。ネジの空間は僅かだから、そこに染み入ると空気が遮断されて固化する。固化したロックタイトは、いわばプラスチックであって、何もくっつかず接着もしていないし、ねちゃついてもいない。固体としてだだそこに存在しているだけ。
しかし、おかしいと思わないか、これって?
例えば木がTの字に接触しているとする。横棒と縦棒(I)がT字形で直角に接触だ。これを使って説明すると、おかしさが分る。接触部分にロックタイトを塗布して隙間を埋めてそれが固体化するだけなら、横棒と縦棒は決してくっつかないからである。サンドイッチを作るのに卵焼きを間に挟んだところで、二枚のパンがくっつく訳がないのと同じだ。
すき間を埋めるだけなら(接着していないのだから)、振動を受ければオネジとメネジの二つの表面が滑る(=ネジが緩む)筈じゃないか! だのに、なぜ緩まないのか?




