ロングセラーに頼る
本業が経営者なので、これに関係して少し触れておきたい。日経からの一部分転載である:
経営者の多くは「金のなる木」、つまり現在安定して収益を稼いでいるビジネスに固執しがちだ。老舗の饅頭屋が代々同じ饅頭ばかり横道にそれずに作り続けるのと同じ。「これでよし」として保守的に成り、ロングセラーに頼るようになる
ウチの場合に当てはめるなら、目下のボルト締結機械の販売とレンタルビジネスが、老舗の饅頭に相当する。今の処は(或いは少し先の将来まで)、ウチは手慣れた饅頭を売って充分食って行ける。幸せな事だ。
が、こういう会社が一番危いのだと思う。遺伝子に多様性が無いからだ。
何処の会社も同じだが、企業は何も為さなければ楽観主義がはびこり積極性は失われる。又そんな会社の経営者だからこそ、経営のミスにはっと気づいた時にはもはや手遅れで、為すことが間に合わず衰え死滅する。
予測される南海大地震が起きない事はあり得ないのと同じで、必ず会社にブレイクスルー(大転換)を求められる時期がウチにもやって来る。
筆者が開発した先の製品群は、現時点でウチに全く関係のないビジネス分野だ。決して現在の製品やビジネスの延長線上には存在しないない。価格の面でも機能の面でも販売面でも異質だからだ。
考えようによっては、これは良いことと思う。会社の遺伝子に多様性を持たせる事になると思うからで、今の饅頭一本やりではない。時代が大きく変わる時、筆者はもう居ないだろうが、開発した製品群が異なる遺伝子として活躍してくれるかもしれない。無論、時の経営者の器にもよるだろうがーーー。




