ルールがある
「もしワシャが連れ回らなければ、床が傷まないのにーーー」と配偶者の手前筆者は困惑したが、実はこれが新しい発見への扉を開いた。「よく観察し・少し考える」のが科学には大切なんだそうである。それから何日も「締め・緩め」を繰り返しながらよく観察を続け、一日だけ考えた。
(★ここに考えている図があり)一日だけ考えた
結果、世間に通用している常識の間違いに気づいて面食らった:ワシャが連れ回りを起こすのは、決してデタラメに起きるのではなく、ちゃんと「ルールがある」のに気づいたのである。興味深い発見だ。
この発見で床材を取り換える必要はもう無くなったから、配偶者は枕を高くして眠れるようになった。
今まで外の人が気づかなかったのは不思議だが、ルールは大変単純で理解するのに骨が折れなかったから、学会に発表する程でないとしても、筆者は発見に正直に感動した。先の通り三角形の内角の和が180°と気づいたようなものだった。
けれども180°と発見しても天下国家が揺らぐ訳で無し、お金になる訳ではないのと同じように、先のルールの発見も筆者の感動の範囲でしかなかった。
また少し考えた:ルールをたまたま発見したけれども、時間の問題で外の人も、いや簡単だからチンパンジーでさえ気づくに違いない。とはいえ現時点に限るなら、第一発見者の筆者が「世界の先頭」を走っているのは確かだ、と気宇壮大に考えた。こんな時に大風呂敷を広げられるかどうかが才能だ、と聞いた覚えがある。
先発の利を生かして、何かわくわくする装置にルールが応用できないかと思案したのである。




