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揺りかご

 話が変わって、今の私は20名程度の会社の経営者。業界ではそこそこ名を知られているから、世間並みな言い方をすれば多少は出世したと言えるかもしれない。が、帝国ホテルで社長就任披露パーテイはまだ開催していない。もしも「私の履歴書」を日経風に書くなら、先の喫茶店やライフル銃の試射の話など略すに違いない。何故なら今の仕事に何の関係も無いからで、むしろ人生で無駄に過ごした汚点、或いは無かった方が良かった回り道と見られなくもない。


 けれども、私にはそれらの経歴を省略したくない理由がある。諸条件が許し機会があるなら、喫茶店の経営も含めて、私は今でも当時の種々の仕事に戻って継続してやって見たいという気持ちが少なからずあるからだ。(当時を思い出して)決してコリゴリだったとは思っていない。上役の使い込みやビルの工事などの予想外の突発事故がもし無かったならば、そのまま(今とは違った)また別の人生を生きた筈で、家族共々楽しめたと思う。今でもそれらの仕事が身近に感じられる。


 無論人生はやり直しが利かず活躍すべき年齢も体力も一度切りだから、巻き戻すのは不可能。そうだとしても、自分がその時々に「生きた」のは間違いない。大学を立派に卒業した事も大切だが、入学前に一年浪人をした失敗やその時に出会った複数の友達らも確かに私の人生だった。それで思い出したが、浪人時代に何千人と参加した全国規模の模試で4番を取った事がある。間違いは何時でも起きるものだ。

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