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◎第七十六話:「私の履歴書」の話 

◎第七十六話:「私の履歴書」の話 


1.新聞

 最近の若い人は新聞を定期購読しない人が多いようだが、私は新聞が好きである。趣味の一つと云える位だ。


 先般新聞で、こんな人生相談を見た:

「小生90歳、共に暮らせる女性を求む。小生の人生訓は<<腹七分、くよくよするな無理するな、おしゃれ忘れず、毎日歩け>>。 80歳に見える、と人に言われています」、とあった。

 要するに90の男が、女を紹介せよ、自分はまだ80に見えるほど若々しい、と言っているのだ。


 こういうのを見ると、私は度肝を抜かれ、ついで無条件に降伏してしまう。 偉大とはこういう人物を指すに違いない。一つには、その歳で臆せず投稿する勇気は並みではない。 次に、前向きな生き方を貫く姿勢に敬服すると共に、男はやっぱり生涯助兵衛なんだな、と感心もした。


 助兵衛の部分については、少子化で困っている現代にあって日本人繁栄の為に心強く思い、私なんか訳も無く「頑張らなくちゃ!」と変に勇み立ってしまう。 それに、「80歳に見えるーーー」とあるが、裏返せばこの人は80を「充分若々しい」と見ている訳で、ならば一体幾つが「年寄り」との境目かと考えると驚くばかりだ。未熟な私には見当も付かない。


 時々こういう話が載っているから、新聞は楽しい。



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