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余談のつづき(3)播磨の方言

余談のつづき(3)


 ちゃんと市販が出来る「新型ネジロック接着剤」として完成させるには、ねじが緩むか緩まないかの前に、基本的な問題をクリアしないといけないと思いました。それは当たり前の事で、売り場の棚に「長期間置いておける」という条件です。でないと、売れませんよね。そうじゃないですか?

 2液を混合して作り上げた新製品の液体が、「一週間(棚に)放置していたら勝手に固化していた」となったら、実用的とは言えません。

  *

 読者をいい加減じらせましたが、結論まで一足飛びに行きましょう。以下が実験から得た結果です:

手始めに、2液(=モリブデンを含んだ高級潤滑油+ネジロック接着剤)をポリ容器に入れてやってみると、難なく混ざり合いました。水と油みたいに二つに分離するような事は無く、互いに親和性がある。これはラッキー!な発見でした。

混ぜ合わせたものを、少なくとも十日間常温で放置してみましたが、分離する事はなく固化もせず、蒸発もせず、ドロリとした液体状を保ったままでした。そのまんまというのは、素敵な結果です。

2液の混ぜ合わせる体積比率は、1:9→9:1まで様々に変化させて、それらをボルトに順次塗布し、締付けと緩めの試験を繰り返しました。この中から性能的にベストな組み合わせの比率を得ました。比率は今は内緒。

肝心の性能は:一言で言えば「成功した」。私は矢張りラッキーボーイなようで、大成功に近い。

強く締まるけれども「緩みやすい」というモリブデン入り高級潤滑油の弱点が解消され、他方でねじロック剤はそれ自体のロック機能は「多少劣化」はしましたが、通常の機械油以上の「緩み難さ」の性能を達成しました。

製品化すれば、きっと売れるだろうと思います。

今後の見通しとして:

製品化する為には、2液を市場から購入して混ぜ合わせるだけでは知恵が無く、事業にはなりません。例えばモリブデンのパウダー(粉末としてモノタロウなどで売っている)と、ねじロックの主成分を化学メーカーから原料として仕入れ、それらを比率に応じて混ぜ合わせるようにすればよいと思われる。

そうすれば原価が劇的に下がります。販売の為には容器を工夫し、空気か酸素を「封入する」ようなものにすべきです。嫌気性ですから。


 とまあ、そんな話を彼女に詳しくしました処、「それって、混ぜただけじゃないの!? ソースにマヨネーズを入れただけじゃん?」と、じゃん言葉で言われました。播磨地方の方言です。


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