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女を口説くみたい

 こっちはかって世に名をとどろかせた腕利きのセールスマン:先ず大型ボルト専門メーカーA社を選んで、こう売り込んだらどうだろうか? 


「弊社が提案するSAKIワシャは、形状が簡単だから作るのに大したコストは掛かりません。プレスで打ち抜いて作れば1ケ3秒です。これを貴社で作って、お宅のボルトへ組み込んで、ワンセットのボルトとして売るのですよ」

「ーーーー」

     

「貴社の「普通のボルト」がたちまち「連れ回りゼロ(の)ボルト」へ早変わりします。ブランドはお宅A社独自のブランドを使ってもらって差し支えありません。素敵じゃないですか! ウチへは特許使用のライセンス料を呉れればよいです」と、女を口説くみたいに淀みなく言葉が出てくる。

「うむーーーー」


「競合他社との差別化になります。ワシャなんて製作コストは安いから、宣伝費と思えばボルト自体の販売価格を上げなくてもいいと思いますよ」と、こっちの説得は人のいい笑顔である。人をたぶらかす時に多用する。

「ーーーー?」


(明日へつづく)

余談の続き:

当該の接着剤は液体から固化するときに、体積が増えもせず減りもしない結果が出た。厳密な実験の結果である。けれども、(体積が膨張する筈だと密かに期待していた)私は結果を疑った。


ワシャの裏側(床側)に液体の接着剤を塗布したが、直後の締付け力は8トン(M16に対し)であった。巨大な力だから、ワシャと床面の間にサンドイッチされた液体の接着剤が、ことごとく外へ押し出されてしまって無きも同然になったのではあるまいか、と疑った。ワシャと床面の間には、何もなくなり空っぽになったのだろう。


これが事実なら、液体が膨張もへったくれもない。ならば、どんな実験の仕方をすればいいのだろうーーー? 実験は振り出しに戻った。

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