ポイントはここ
2.ポイントはここ
三十数年前のウチのある月(一カ月間)の油圧レンチ(=ボルト締付け工具)の受注は、例えばこんな具合であった:
・九州電力玄海原発から:230万円
・川崎重工業神戸工場: 180万円
・小松製作所枚方工場: 320万円
・三菱重工業神戸工場: 130万円
・日本製鉄(旧日鉄住金)姫路広畑製鉄所:140万円
全合計1000万円
対して、三十数年後の「今年四月」の受注先を数えてみると:
・GE社(東京都:日本支社):風力発電建設にウチの(ボルト締め)工具を使った。
・エネルコン(北海道):風力発電のメンテナンス
・三菱ガス化学(富山):化学工場の機器のメンテナンス
・住友電気工業(大阪):蓄電池を圧縮する仕事に使う
・明石市水道局(明石市):大型バルブの開閉用ハンドルを回す為
・レント(静岡):レンタル屋さん・ウチの製品を購入してレンタで儲けている。
・川崎重工業(神戸市):潜水艦建造で狭隘部のボルト締め。
・日立建機(土浦):建設機械の組立
・日立造船(堺市):プラント組立
・トヨタ自動車(愛知):鍛造プレスの金型のメンテナンス
・戸田建設(千葉):ビル建設業でPC鋼棒の緊張のボルト締め
・日精樹脂(長野県):射出成型機の金型のメンテナンス
・豊田自動織機(愛知):エンジン組立のボルト
・住友林業(つくば市):木造住宅建設でPC鋼棒の締付け
・東武鉄道(東京):電車台車の点検(東京のメトロも同じく当社の顧客)
・カヤバシステム(三重):ビルの免震機のボルト締付け用
・カニ道楽(大阪市):道頓堀のレストランのカニさんのメンテナンス
・IHIインフラ(堺市):吊り橋のロープのボルトの交換
・佐世保重工(佐世保市):プラント組立
・パナソニック(大阪):プレスのアンカーボルト
沢山で、そうそうたる取引先ばかりだから凄いと思うだろうが、見かけほど大したことではない。一般に名が知られた会社ばかりに的を絞ったが、この他にもまだある。売上金額は細かく記載しないが、上に挙げた分だけの総計は、約1200万円である。
白状すると数が多いだけに、それぞれの受注額は大した事は無い。一件当たりが精々10万~20万円程度。この合計額は先に上げた三十数年前の五社合計と同程度なのだから、確かに販売効率で見れば大変悪い。Tさんはこのことを指しているのだ「伝票発行するだけでも大変ですやろ。不幸は誰にもやって来る」。
筆者は字も下手だし、伝票を書かないから少しも大変ではない。そんな事は、伝票発行係にやらせればよい。問題は、これが果たしてTさんが言うように本当に「大変なこと」だろうか?である。ポイントはここ。




