人生の長さ
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(★ここに写真が二枚あります)
↑こっちの別の彼は電動レンチ(=電動ドリルの超大型)を使っていて、反対側(下側になるボルト頭)が連れ回わらないように手で握っているが、無論、無駄な抵抗! 押さえ切れるものではない。
やむなく諦めて右写真の通り何やら得体の知れない大きなブツを、下側へ連れ回り防止に装着している。裏が分かる証拠写真だ。
一本のボルト頭毎に先ほどの化け物みたいな「連れ回り止め」を装着・はがしを繰り返しやらないといけない。時に重くて厄介で手間たるや、ボルト作業全体の約40%を占める、いや、ホント。君は知るや、北海の荒波に体も揺れる現場の苦労を! 洋上風力発電なのである。
風車は「建設の場合」だけでは済まされない。全てのボルトが大なり小なり風の揺れで緩む。年に一度は必ず「増し締め」するよう義務付けられている(=これがウチにとって追加商売ともなるのだが)。この時にボルト頭側に「必ず」連れ回り防止措置を講じないといけない。
なぜなら上側のナットを増し締めした時に、下側のボルト頭が少しでも連れ回れば、増し締めにならないからだ。こういう時に限って連れ回りを起こすから作業者はいらつき、先ほどのバケモノのような防止装置が沢山売れる訳である。
「連れ回りさえしければ、仕事は半分の時間で済み、人生が倍の長さに延びるのにーーー」、業者の嘆きである。




