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ハンドル

 先の左の写真でナットの上にホースの付属した機器(約8kg)二つが乗っているが、油圧レンチという「ナット回し機」で、素敵なウチの製品(ドイツ製)。一つで百万円はするから、無造作に二百万円がちょこんと乗っている。子供が欲しがりそうだが、小遣いでは手が出ない。


 脱線ついでに、写真にある通り「ナット回し機」(油圧レンチ)の上部に「持ち運び用」の安全ハンドル(取っ手)が付いているのを指摘したい。しかも手が滑らないように表面はゴムコーテイングって処が心憎い。筆者の知る限り、この種の機器にハンドルが付いているのは世界中の数ある同業メーカーの中でウチだけ。ハンドルで数千円のコストアップになるせいか、他メーカーはそんな出費を惜しんでいる。


 ハンドル一本の事で、神は細部に宿るともったいぶって言う積りは無いが、そこにメーカーの哲学を感じる。ハンドルの構え方で「お主出来るな!」と見抜ければ大したもの。聞かずとも、その先にある製品の品質が自ずと見えてくる気がする。他社との違いである。物理学者のメルケル首相だけでなく、そんな設計をする真面目なドイツ人気質を、ハンドル一つで筆者は好ましく思う。


 脱線したがそれはさておき、風車内の右の写真で、にっこりしているのは親愛なるウチの社員。筆者は性格をよく知っているが、彼の右の頬が異様にピクついているのを見逃すな!

 600本のボルトの反対側の頭がどれもこれも連れ回って、いらついた彼は一発触発、爆発寸前なのだ。600回の意地悪をされて、イラつかぬ人間などいない。こんな時、人はニタリと笑うクセがある。


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