筆者の反論
筆者の反論:
「例えば、乗用車で考えよう。昔、すべての車にはバックミラーが無かったそうだ。ある日バックミラーの付いた車がたった一台登場した。コレを眺めて、俺はミラーなんて余計なものは使わないよ、必要ならちょっと顔を横に向けりゃ済むことだからなーーー、それに横目を使えば目の運動にもなるし、という人が多かった。そんな車、売れるかなあーーー、である。
「ミラー代なんて車全体から見れば、コストはただみたいなもの。実はここがミソだが、バックミラーを装備したその車メーカーは敢えて車の値段を変えなかったのである。実に偉い。ミラーの無い車とミラー付きの車、エンジンとデザインは共通で、しかも同じ値段!と来た。
この場合、運転手がミラーを実際に使用するかどうかは問題ではない。仮に使わなくて構わないのだ。同じ値段で両方並べられたら、貴方はどっちを買うか?の話である。
時間の問題で、100%全ての車がミラー付きになった。ミラーの無い車なんて、今ではもうこの世に一台も存在しない。
中央部に僅かな凹みのあるワシャー、作るのは簡単でプレスの抜き型の中央部を少し膨らませるだけ。それ以外に何も無い。製造コストは現行の普通の平ワシャーと同じなのである。
ワシャを使って床面に傷が付くか付かないかなんて、実はどうでもいい。けれどもーーー、誰だって床に傷が付かないほうが(傷が付きやすいものより)「気持ちがいい」のは決まっている。役に立つかどうかではない、そうーーー、気持ちが良い、それだけで充分だ。
普通の女性と美人と二人から結婚を申し込まれたら、誰でも美人を選ぶのじゃないの? たったそれだけの理由で「非回転ワシャー」を選ぶ。なにせ、同じ値段だもんなーーー。
やがて世の平ワシャは裏面にやや凹みのあるのが常識となり、「昔は凹みの無いワシャがあったらしいよねえーーー」・「へえ、それホントなのかい?」となる。バックミラー無しの車が駆逐されてしまったのと同じように。「非回転ワシャ」は気の遠くなるほど、莫大な数が売れるーーー、こりゃ、大儲けだわな!




