優れた人材
4.人材
ウエルチはこんなことも言っている:
あらゆる仕事に命を吹き込むのは、優れた人材であって、優れた会社の戦略ではない。事業の成功は、更に成長しようとストレッチし続ける最高の人材を確保しない限り、その行き着く先は見えているーーーと。
汗を流す人・頭が良く・自信と活力に溢れ企業家精神溢れる人、を求める事だ。求めるべきは、何事かを達成しようとする情熱と意欲を持っている人間で、一流の人を見つける事が出来れば、それでビジネスが一変してしまう。
確かにその通りで、そんな人は素晴らしい人材に違いない。けれども、ウエルチには悪いが彼は妄想にしがみついている。そんな人材を探すのは非常に難しい、と筆者は長い経験を通じて知っている。何故なら筆者は過去三十数年探し続けて未だ見つけていないからだ。代わりに、こんな風に皮肉を返したい:
「一流の人を見つける事が出来れば、それでビジネスが一変してしまう」、GE社はこのルールを忠実に実行して、実に素晴らしい最高の人材を獲得した。これは本当だ。紹介しよう、その人材の名こそジャック・ウエルチという。ついでの事に、ウチの会社も同様に優れた人材を確保した。会社にはラッキーで幸せな事で、その人材の名こそーーー筆者であると言いたい。
例えば証拠に、ソフトバンクの孫社長・日本電産の永守社長・ユニクロの柳井社長をみよ。それらの会社で、後継予定者だった筈の人材が次々に(能力不十分とみなされて)過去に首になっているーーー、じゃないか。これが現実である。
一つの業種・一つのマーケットに絞るならば、世界の人口70億の人がいても、その中から求められるべき最適な人材はたった一人(大抵は本人自身)、謙虚な言い方をすれば、多くても精々他に2~3人しかいないものだ。そういう社員は(居たとすれば)「社員のまま」では存在しない。だからウエルチの望むような人材は存在する事が殆ど不可能、と筆者は言ったのである。偉そうな言い方になってしまったがーーー、少なくとも筆者はそう信じている。




