気狂いだ
そんな風に鍛えられているから、経営者というのは一般から見れば「アクが強くて、一種独特の考えを持つ人種」である。油断すると魂を抜かれて骨の髄まで金に換算されてしまうから、用心した方がいい。
沢山のエッセイを過去に書いたけれども、それらを読みながら訳が分からないとか、筆者の感覚が理解不能、いや気狂( きちが)いだーーーと読者が感じたならば、実はこれは誉め言葉。筆者が経営者の「プロ精神にあふれている」為だからであって、でないと、ナアナアでは過去三十数年間利益を上げ続けるなんて出来やしないものさ。
名経営者に本当の人格者は居ないものだが、本人は大概人格者の振りをしているから真に受けてはならない。知り合いと話していて、相手から「ーーーだから、XXXだよなあ。ねえ、お前もそう思うだろ?」と、100%の同意を求められることはよくある。
こっちは「うんにゃーーー、そうだねえーーー」と曖昧な相槌を打つが、内心は大いに正反対なのだ。相手は世間の常識、こっちは会社の常識。こっちの言い分は、たっぷりあるが敢えて言わない事にしているのは、大抵損得の話ではないから、仕方がないと思って諦めている。




