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◎第七十一話:「選択と集中」の話

◎第七十一話:「選択と集中」の話


1.コロナ

 コロナ騒動で世間は大変である。無論私も怖い。それでも何時かは収束するから、暴落して安値になっている株を今買って長期に保有すれば、必ず大儲けと思う。


 それでも、ウチではやらない。「長期に保有すれば」という条件を満たせないからで、自分の歳を噛みしめている。「一体、歳が幾つと思ってんのよ!?」と配偶者に叱られるのがオチで、値上がりする頃に私は死んでいるらしい。


 仕事の減少で職を失う人も多いから、パートだけでなく正社員にとっても、死活問題な会社も多いだろう。個人に限らず企業も大きな影響を受ける。会社も取れる対策に限りがあり、座して結果を待つ以外に無いから、無力感を感じる。破綻し淘汰される会社は多いに違いない。


 世界中の人々が共通の不幸と恐怖に見舞われるのは、近世人類史に初めての経験ではないのか。世界の狭さを感じると同時に、ウイルスの怖さを感じる。全人類が恐怖する事件が他にあるとすれば、それは巨大な彗星が地球にぶつかるーーーという事件だろうか? 人の力でどうしようもないーーー、そんな事を考えてしまう。



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