表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
605/1691

一矢を報いた

 翌年の年賀状を出す時に、私は一筆を書いて返した:「他人の好みや運で左右されるような人生を、若い時から私は避けました。だからT社を辞めたーーー」

 これは四十数年前、そのまま貴方の下でずっと仕事をしていたなら、(貴方の好みに合わなかった)私は同じように、つまはじきにされて最終段階で出世出来なかったろうーーー、というキツイ皮肉である。


 翌々年から以後H元部長から二度と年賀状が来る事は無くなった。これを眺めて、「勝った!」と私は感じた。人生に頂上は一つしか無い。一部上場企業と、それに比べればこっちは吹けば飛ぶような零細企業。けれども、規模が違っても専務と社長は違うのである。証拠に「私の履歴書」の執筆者に、社長や会長は居ても専務は一人として登場しない。四十年目にして、私は一矢を報いたのである。

話は未だ終わりではない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ