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羽振りの良い学校

2.羽振りの良い学校

 先のジャリンコ女は、見たところ暮らし向きは貧しそうではないから、就職をあれこれ私が心配する必要はないが、周りの環境から推して、私は英語が「ペラペラ」だと言う事で通っている。が、再度あにはからんや、私の英語は大変が付く位下手なカタコトである。けれども私を責めるのは筋違いだ。海外の取引先が来訪するのは年に一二度でしかない。使うチャンスがなければ道具が錆びつくのは当然の話。


 そんな風に世間と私の間には大いなる誤解があるが、自分に有利に働く時には、私は誤解を解かない事にしている。年に数回しか使わない英語を、磨き上げるのは時間の無駄だと思う。が、再々度あにはからんや、書くのは上手な方だと自負している。ひょっとしたら、下手な外人より上手いかもしれない。英語で手紙やメールを書くのと、和文で書くのは同じスピードだから、英語を書くときに退屈しないで済む。 商売で毎日書くからそうなるのであって、珍しくもない現象だ。


 昨今、大学入試英語の試験のやり方をめぐって姦しい。また小学校から英会話などの授業があるとも聞く。あるいは、長年英語教育を受けてもまともに外国人とコミュニケーションを取れないと嘆く話も聴く。或いは、国際人育成の為に泊り込みのキャンプで英語漬けにしようという話題もあった。外国から観光客が来ても、道案内さえ出来ない、なんて話も聞く。


 あの人は三ケ国語が話せるらしいよ、凄いじゃないか、と時々人は羨望の目で眺める。風潮を反映して、そんな輩が餌食にされて町の語学学校は羽振りが良い。我が国全体が英語キチガイで、英語が出来なければ無教養の極み、死ね!みたいな勢いだ。けれどもーーー、と考えた。少しおかしくはないか? 


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