表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
579/1654

夫原病

 最後に、再度ウチの夫婦に話を戻す。書いたようにウチでは心拍数が「最低男と最高に近い女」が夫婦をやっている。今までの話が全て正しいとすれば、私は刺激を求め続ける人間で、彼女は(心拍が「既に」充分に高いから)刺激は食傷気味で、むしろ静穏を求めるタイプと言える。


 思えば心拍の低い私の人生は平均以上に刺激だらけで、結婚直後に(一流企業を辞めて)転職し・居住地を変えたり・ドイツへ行ったり・起業したりーーー、であった。ひどい失業も経験した。静穏型の配偶者が良く付いてきてくれたものと思う。普通の人間なら、付き合っている内に発狂するのではなかろうか。


 二人は起業した会社の共同経営者ーーーと言えば、夫婦仲が麗しく見え、ある意味格好良く映るかも知れない。けれども、経営というストレスまみれで困難に満ちた生活は、心拍の低い私には程よい快適さであっても、配偶者の本質に決してそぐわなかったと思う。

「感謝以外に無いーーー」なんて、そんな安っぽい言葉を私はよう使わない。配偶者が六十前になってついに難しい病を発症したのは、私が殺人を犯したのと同じだと考えている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ