マグロ
そんな子供が非行に走り勝ちなのは(=100%ではなく飽くまで統計的にであるから、どうぞ誤解の無いように願う)、身近な人に対して暴力や暴行を振るうのが最も「手っ取り早く」刺激をえられる手段だからである。成人が犯罪に手を染めるのも同じらしい。本人はそれと気づいていないが(生きる為に)刺激を求めつづけるから、再犯を繰り返し易い。
小さい頃体が腺病質だった私は、腕力が足りなかったから、精々キョロキョロする位なもので、暴行や暴力の手段をとれず結果的に非行に走らなかったのかも知れない。家庭内環境も影響するようだから、その面が助けになって、成人してもペテン師に成らずに済んだのだろう。
先の「「酒鬼薔薇聖斗」の中学生(男子)や父親に対して撲殺未遂を起こした未成年女子の凶悪な犯罪が、もし「低い心拍数」に起因するものならば、その更生は「非常に難しい」のではないかと思う。心拍数は(自分の努力で)変えられないからだ。「刺激を求め続ける」生来の性行を変える事の困難が故に、宿命と言えるかもしれない。
そういう面を考慮に入れて犯罪者の更生計画を考えるべきで、釈放するにしても考慮すべき重要な点だろうーーーとこの本(=研究者)は述べている。元々犯罪心理学者によって書かれたこの本の最終目的は、そこを目指しているように見える。
私の場合は体質的に体が丈夫でなかったので、腕力に訴える代りに頭を使って刺激感を求める方向へ走ったのだろうか。ベンチャー起業して経営の仕事をする事(=特に創業者の場合)は心拍数を上げる為に、刺激を得やすい「最たるもの」だと思う。常時、興奮とスリルと心配や不安があり、あらゆるタイプの刺激に満ちているのは確かだ。
数多くの刺激を日々与えてくれる「起業と経営」の仕事は(生きる上で)自分の宿命だったと言えなくもない。私の履歴書を隅々まで構成しているのは、低い心拍数に起因するドキドキ感を求める旅の歴史だった事になる。
心拍数を上げる目的の為に、犯罪人になるか起業経営者になるか(あくまで統計的に!)である。私が地球の裏側のドイツまで押しかけて行ったのは、その行動が「自分に最も刺激的」だったからかも知れないーー。本人からすれば異常事態ではなく、低い心拍を上げる為に何の不思議もなかった。
マグロは、泳ぐのを止めると酸素が不足して窒息して死ぬと聞く。生涯いっときも休むことなく高速で泳ぎ続けなくてはいけないそうだ。これと同じように心拍数が低い私は、自分をいつも焚きつけておかないといけない体になっている。これが自動的に「生き方となり性格」として定着したのだ。ドキドキする刺激感を生涯求め続ける事によって、自分を保ち得る。
(心拍が特に低い私を検体材料として調べる事によって、関係の研究者は大きな成果を上げられるかもしれない)




