ペテン師求む!
ここではサイコパスの話をしていたのだから、話を元へ戻す:
サイコパスの研究に関して、面白いエピソードが本にあったから此処へ挟む:学者がこれら犯罪学の研究を行うのは極めて困難を伴うそうだ。例えば、連続殺人犯に刑務所で面接しようとしたら「既に死刑が執行されていた」となるし、重罪犯が統計に耐えるだけの最低でも2~300人が学者の「身近に」存在する訳でもないからだ。
それに、「上首尾型」(お利口型)のサイコパスと来たら、ペテン師・詐欺師・巧妙なウソつきを含めて何食わぬ顔で町中を堂々と歩いているが、賢いから警察に捕まらない。だから当然留置所内にはおらず、研究用にインタビューしようとしても出来ない。
まさか道歩く人に「貴方はペテン師ですか?」とイチイチ呼び止めたり、「挙手を求める」訳にもゆくまい。エッセイで申告する人なんて、世界中で私以外に存在する筈はないからだ。学問としての犯罪学の研究の難しさがここにあるようだ。
思い余ったある研究者は新聞へ(賢いサイコパス(=ペテン師)求む)の募集広告を載せた。その広告文が面白い。神経心理学の「尺度を巧みに用いて」(サイコパスという言葉を用いずに)、「対抗文化的な新聞」へ次のように載せたそうである:
「衝動的で無責任・チャーミグで攻撃的・そして何事にも無頓着だが・人の扱いが巧みで・ナンバーワンを目指している人を求む」
これって、私の事をそのまま書いているみたいだーーー、と私は思った。
失業中なら、私も応募したかもしれない。結果的に研究材料として、多くの(「お利口型」の)サイコパスを掴まえて面談出来たそうだ。絶対秘密厳守を約束してやったら、彼らは自分たちの悪事を(殺人も含めて)「得意げに・待ってましたとばかり」語ってくれたそうだ。自己顕示欲が強いんだな、案外そんな人はーーー。自慢したいんだよ。




