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177億円のケース

(Bのケース)

 例はもう一つある:

 SAKIワシャ(=振動を受けても緩まないワシャ)の事業化へサンプルを見ながら誰も挙手しなかったのに対して、私は先で不満を鳴らした。これは製品を過大評価したり身びいきな為ではない。以下を読めば、合理性を理解出来ると思う:


「市販の同等品とほぼ同じ値段」・「一方で緩まない性能は100倍という品質」の両方の要素が満たされるなら、これは「売れるだろう」と誰でも予測が付く、余程ヘマをやらない限り。SAKI製品はこの二要素を「満たして」いる。


 次に、有力なメーカー(X・Y・Z社)が、「緩み止め製品」を市場で年間どれだけ売っているか(ネットで)調べてみると、(海外への輸出分も含めて)X社30億円・Y社47億円・Z社スエーデンのメーカー)100億円と分かる。


 これから計算すればSAKI製品は、将来少なく見積って年間30億円多くて177億円(三社の合計額)の商売に育つ、と高い確度で「見通し」が付く。たかが緩み止めだけで、X・Y・Z社でなぜこれほど売れているかと考えて見ると、大小のボルト・ナットはあらゆる場面で使われる「産業のコメ」だからなんだなーーー、と分かる。


 揺れて動くものと言えば、ロボット・送電鉄塔・建設機械・地震対策のビル建設・鉄道・枕木・風車・橋梁・工作機械から宇宙ロケットまで使われている。地震大国日本で振動の無い機械なんて存在しないと言ってよい。先の「緩み止めワシャメーカー」の興隆はあちこちからの要請だからだなーーーと、これも推測が付く。


 価格が同等ならば、X・Y・Z社の製品に遅かれ早かれ「置き換わる」。置き換わるーーーと考えるなら、新たに新規の市場を開拓する「努力も要らない」のが、同時に分かる。「置き換わる」とは、売れる市場の存在を保証してくれているようなものだから、こんな楽な商売があろか?


 トランジスターが一夜にして真空管に取って代わった・CDがレコードに置き換わった・LEDが目下蛍光灯を追い詰めている。これと同じで、大きな変革はある日突然に起きる。性能が100倍なら、SAKIワシャが他社製品に置き換わるのは時間の問題で、市場に変革を起こそうとしている。


 ここまで説明をすると、ヘエッ!凄い、そんな情報を先に早く教えて呉れていたら、「俺は177億円の会社の社長」になりたいよ、「なぜそれを言って呉れなかったんだ!」と、今から(=もう遅いが)でも挙手する人も居るかも知れない。 


 けれども教わらなくても、自分で考えればそんな将来性が「読める」はずと思う。X・Y・Z社の売り上げをネットで調べるのは、その気になれば誰にでも出来る。だから、これも先のドイツへ乗り込んだケースと同じく決して突飛な話ではなく、このケースも「成功1%の賭けではなく、90%以上の成功率」なのがお分かりと思う。


 だから挙手しなかった人に対して、私が「不思議」を感じるのは決して「自分が変わり者」だからではなく、殆ど成功間違い無しの「先が読めている」だけに過ぎない。これは(頭の良さや知能の高さではなく)刺激を受けて自分の心拍数が「平均の人」以上に急上昇する結果なのだろうと、私は思っている。


 この製品は未だ売り出してはいないが(=年齢を含めて様々な事情があって、実はどうしようかと迷っている)、参考までに最近の試験データを以下に添付します。

  (ここに、データのグラフあり)


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