「実行機能」のスコア
そんな事よりも注目すべき点は、刺激を受けて心拍数が急速に上昇するドキドキ型(=お利口型・「私」に相当)のサイコパスに付いて、次の特徴があると論文は指摘している。飽くまで統計的にであるが、研究者はこんな疑問を持ったようだ。
先のグラフ(=グラフは添付出来ないので、思い浮かべて下さい)の通り、「お利口型」の心拍数が(刺激を受けて)「平均の人」より超えて、更にその上まで上昇する現象は、やや奇妙ではあるまいか。確かに奇妙だ。研究者もこの奇妙さを気にして、さらに分析して面白い事実を発見した。棒グラフ(添付出来ない)を以下へ示すが、それは並はずれた実行力の高さである。
グラフの真ん中が「お利口」(=上首尾型)だが、右端のドジ型より優れているのは当り前としても、左端の「平均の人」(=対照群)よりも、遥かに高い「実行機能」のスコアを獲得しているのが分かる。驚くべきデータではなかろうか。
ペテン師は人を「騙す行為」を実行するのに「ためらい・不安」が少なく、普通の人よりも「強く・積極的に実行する」特有の性質を持つーーー、と分かるからだ。飽くまで統計的に言えばだが。
私の場合、グラフの結果にピタリ符合する:「平均的な人」なら失業した時には「絶対にやらない」ような事を敢えてやる果敢な行動力(=金が無いくせに、地球の裏側まで出かける(一見暴挙に見える)行動)や、主任教授の勧めた超一流企業を蹴とばす思い切りの良さ、SAKIワシャの将来性に「挙手しない人」の行動力の不足を、あたかも悪者のように責め立てる物の考え方ーーー。
確かに、私の実行機能のスコアは並外れて高く、高過ぎる位だ。
他方で犯罪専門研究者は、上首尾型(お利口型)サイコパスに対して、次のように述べて慰めてくれている:
「(そんなサイコパスは)計画性・注意力・認知の柔軟性・そして特定の方法が不適切と判明した時に計画を変更する能力など、企業経営者として成功する為に求められる全ての認知機能がここに含まれる(原文のまま)」
そう言われると何か嬉しい。起業して三十数年以上、私が会社を維持し続けられた理由(=実行機能)がここに示されている、と私は思った。
研究者は、「お利口型」サイコパスがこのような驚くべき成績を獲得する現象を「どう解釈すべきかーーー」、と酷く悩んでいるようだ。これからの研究に待たれるようだが、私に直に訊きに来るのが早道かも知れない。私ならきっと知っているに違いないから。




