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天才ピアニスト


 相手の説得に成功しても、会社を立ち上げるのは100%私の仕事である。市場(=日用品のマーケット)内で、漬物屋の隣・豆腐屋の正面で、金の無い会社が開業した。配偶者も味方に加えて孤軍奮闘が始まりーーー、そのまま三十数年後の今がある。


 ①~④は平均的な常識人なら誰もやらないが、かと言って「勇気ある行動」と言うのとは少し違う。あるのは「過剰な向こう見ずさ」で、常軌を逸している。確かに(母親が言ったように)「お前は変わり者」。

 そんな私の目からみれば、日経新聞の「私の履歴書」の多数の自伝を読んだ時、それが出世したどこかの大社長の話であっても、世界的なピアニストでもゴルファーであっても、何時もこう感じる:「この人、退屈な人生だったんだなーーー」と。


 彼女の演奏するピアノが「好き」だから、それが理由で例えば私は中村紘子の自伝を読んだ。が、少しも面白くなかった。才能のある天才ピアニストであっても、いやそうだからこそ、ピアノという「特定の世界」から一歩も出ていない。鍵盤のタッチについてハイフィンガーの話や先生との確執や有名な賞を多数獲得したり様々な派手な話があるけれども、世界や幅が狭く感じてしまう。


 ピアノの名人を、そんな風に見るのは「見当違い」なのだろうとは思うが、生き方として私なら耐え難いものだ。それがーーー、良くも悪くも私の正体だった。


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