表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
550/1656

ダメ元でいい

3.ケース④

 私が人と違うと思う四例目。

 毎日の仕事の中で、他の人との間に「違和感を感じる」時があると先に書いたが、直近の例を挙げる:


 私は最近SAKIワシャ(=テコでも緩まないナット)という新製品を発明した。有用で将来有望な製品だ(と私は信じている)。だから特許も申請した。手のひらに乗るミニサイズのサンプルを作って、スポーツジムの人達に見せ、銀行家にも見せ、取引先の個人にも見せてやった。素人もおれば、その方面のプロもいた。サンプルを眺めてお世辞も含めて「面白い・素晴らしい!」と言わなかった人は、居ない。


 普段メールのやり取りをするメーリングリストの人たちにも紹介したし、無論息子達も知っているから、身の周りに延べ100名以上はおろうか。まだカタログさえ出来ていないがーーー。私が「違和感」を感じるのはこんな点:


 まず私は充分な年寄りである。私を眺めて外の人もきっとそう思うに違いない。儲けた金の使い道がない筈なのを知っている。また、言い触らしていないから、私が会社経営者と知らない人は多い。だから、市井の退役老人がある日手慰みで「こんなアイデアを、たまたま思い付いた」のだ、と信じた人も少なくはない。事実そうである。特にジムの人達は積極的にそう思った筈だ。


 それならばーーー、「お前は明日をも知れぬ年寄りなのだから、この製品の事はワシに任せろ。起業して大儲けし、きっと成功してみせる。お前にも半分分け前をやるから、やらせてくれ」と、誰一人挙手をしなかったのは何故か? これを私はとても不審に思う。 


 もっとも、私がそう誘った事は一度も無いけれどもーーー、そんな周りからの反応の無さに「違和感」を感じる。上手くやれば、その人は会社を起こせて社長にも金持ちにもなれる。人生で滅多に無い「夢のあるチャンス」だのに、と私は思うからだ。


 立場を替えて、もし話を伝え聞いたのが「若い私」であったなら、(断られても、しばかれても)挙手したと思う:「(自分に金は無いけれども)私にやらせてくれないか。分け前は2:8でも構わない。頼む!」 ダメモトでそうお願いしたと思う。だから挙手する人が閑古鳥な現実に、違和感を覚える。


 お気づきだろうか? 私は先とそっくり同じ場面を繰り返して書いている:「どうして誰も、素敵なみいみさんを口説かないのだろうーーー。でないと、他の人に獲られてしまう。(口説いて振られても)ダメモトで、いいじゃないか!」  

 煽り立てるように書いたけれども、心から「そのように」私は思う。これを考えると、みいみさんを口説く人か口説かない人かの差は、助平かどうかではなくて、人生と言うスパンで見ると、実は社長になるか成らないかの差に繋がるという気がする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ