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事件の動機

2.犯罪の動機

「そんなこと分かるかい、ヘンな事を考える男だ」と人は思うかも知れない。或いは、「大袈裟なことを言うな。女を口説く位でお前が天下の英雄な訳はない。おっちょこちょいで、女好きなだけ」と言う人が多いに違いない。

けれどもーーー、私の場合に限って「それは無い」と考えている。


世間で凶悪犯罪が起きた時、識者や学者が「(犯人をそうさせた)動機や原因」をもっともらしく解説する:家庭環境が最悪・幼い頃にカマキリを多数殺害した・養護院で育った・親の離婚が引き金を引いたーーー。けれども、これは当てにならない。


 他方で、肝心の犯罪者本人も冷静に自己を分析して、「実はこれが事件の真相」でしたとは言わない。必ずしも本人に分かっているとは限らないからだし、述べる機会もない。警察で白状するのは表面の言葉だけだ。先の話で言えば「私は、みいみさんが好きだったーーー」と白状するだけで、「何故か?」とは説明せずにお仕舞になる。表面しか見えない。


 私は犯罪者ではないが、仮に犯罪者だとして先の「みいみさんを口説き・誘惑する」のを、一つの大事件だと仮定しよう。識者(=この場合は読者)に事件の動機か原因を尋ねたら「お前が英雄な訳はない・助兵衛なだけだ」と解説するのは、先の凶悪犯罪に対する識者の振る舞いと同じである。ならば、その意見は当てにならない。


 そんな訳で、じゃ、犯罪者本人である私が「みいみ事件」の「真の動機」を研究してみようと思った。果たして本当に「自分が助兵衛なため」が原因なのだろうか? 新製品を開発したりするのが仕事の私は、仕事をやるのと同じように自分の詳細な分析を試みたのである。


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