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ヒントを拾う

 さて最後に、経営手法は時々「ちょいと突くだけ」と言ったが、突いている「ポイントのありか」が気になる向きがあるかもしれない。ここに少し触れておこう: なに簡単である、体力は要らない。


 私が心がけているのは命令や指示や管理ではなく、営業員たちからの日報や彼らが顧客と交わすメールを、殆ど全て毎日読む事である。北海道から九州まで、技術打合せもあれば、営業マンや顧客からふと漏らされる一言の感想(=意外に重要)もある。沢山な量だから斜め読みが多いが、この習慣を一日でも欠かすことはない。


 会社が打つべき次の手があるとすれば、大概ここから「ヒントを拾う」のである。これが現在の事故を未然に防ぎ、将来への布石にもなっている。「全部のメールを読むのは面倒くさい」という言う人が昔居たが、何をか言わんや、である。


 読むのは社員の監視というより、(私が負える責任以上の)重大な不測の事態を事前に防止する意味でもあるし、外にも景気の動向や顧客の動向を時価で把握する一番の近道である。そこから得た知識で、「C君、XXXの件は上手く行っているかい?」と声を掛ける事もある。


 これは、社長はちゃんと「自分を見てくれているーーー」と、本人に励みを与えるだけでなく、他方で「(知らんぷりをしてるくせに)何時も見られている」という一種の緊張感を、社員に与える効果もある。私はモーニング社のC・ルーファより賢いのではないかと思っている。


 C・ルーファは「人とは(=社員とは)ーーー」という言い方で、「格好良く」経営理念として掲げてはいる。が、本当は彼も私と同じに、単に性格異端者で他人の人事監督が面倒くさくて、他人へストレスを与えるのが嫌いな性格だっただけかもしれない。もっともらしい理念は「後付け」だろう。私は(自分がそうだから)そう思うのだが、人の基本はそう違わないものだ。

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