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女の沈黙

「(開発は)そんなシンドイ仕事なのに、(会社で)誰も実験を手伝ってくれないのーーー?」と、女が訊いた。

「うんーーーー、一人でやってるんだ。こういうのは一人でやるもんだよ」

「ーーーー?」と、女が沈黙した。

「一人の方が良いんだ」と、こっちは何となく力を入れた。


「本当に、社長なの?」と、女が怪しんだ。「揺らし実験」なんて下らない仕事だと判定されたようなものだ。

「うん、僕は社長だよ」と、軽く見られない為に真剣に応じた。

「実験ばっかりやってるみたいだけど、社長の仕事はしないの?」と、尋問はついに具体化した。

「社長の仕事ーーー? ああ、ちゃんとやっているよ。しかし大してやっている訳じゃないけどーーー」と、私は正直である。


「ーーーー? 大してやらなくても、会社は大丈夫なの?」と、女は益々具体的になった。

「ああ、何とか上手くいっているよ」と、こっちも訳が分からなくなった。

「ーーーー?」と、女が再び沈黙した。 


 経験的に、女の沈黙は種類を問わず放置すると危険だから、こっちは急いで答えを探した。

「実は僕も、どうして上手く行くのか、分からない処もあるけれどねーーー」

「ーーーー??」

 女の深い沈黙が、益々こっちを落ち着かなくさせた。

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