似た者どうし
++++貴女が自分自身で作り出すんだーーー」
「私を脅すの!?」
「いいえーーー、そう想像するだけです」
*
「口封じに僕を殺そうーーーなんて考えないでね」
「分からないわーーー」
「おお、怖い!」
「本気よーーー」
「でも初めから全部、僕に罪は無いよ、分かってくれる? 貴女がこうして訊いたから、知っている範囲を正直に話しただけだものーーー」
「貴方は推理をし過ぎる。それが危険なのよーーー」
*
「貴方が言ってくれるように仮に美人だとしても、人生に得は無いわ」
「大きく、人生と来たかーーー」
「だのにーーー、悪いのは夫よーーー」
夫から大切にして貰っていないらしい。それとも夫が浮気をしているのだろかーーー?
「ペンキ屋は醜男( ぶおとこ)だけど、優しいのかい? 辛いねーーー」
「ーーーー」
「不幸な話だーーー」
「ねえ、私の味方になってくれるーーー?」
「僕には、もういい彼女が既に居るよ。嫉妬深いんだ」
「奥様ねーーー?」
「ああーーー、うん」
「返事にひと呼吸置いたわ。何か書き換えたみたいな返事ーーー」
「アハハ、貴方も推理のし過ぎだよ、似た者どうしだね」
「ーーーー」
「だから、今後ともどうぞよろしくーーー」
*
後日、この話を知り合いの女「43バツイチ子持ちコンブ」にしたら、「危険よ、余計な事をしたわね」と、私は酷く叱られた。
けれども、一方でこう言って慰めてくれた:「でも心配しなくていいわ。私からのメールを無視したり長い間返事が来なかったり、貴方と連絡が取れなくなったら、いよいよ「殺されたな」と考える事にするわ。直ぐ話を警察に持ち込むからーーー」
おお、コワ! こっちの方が一層怖いと思って震え上がった。
完
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