表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
461/1692

すべっこい肌

 同じスーパーへは大体同じ顔ぶれが買物に訪れる。回数を重ねると顔なじみにもなる。自分が食べてみて美味かったものを来店者へ勧めたり、お買い得をこっそり教えたりしてもいい:「しばらく来てくれなかったねえ? 元気だった? 貴女あなたは何時も綺麗だね」の声掛けも出来る。


「貴女」というのが、必ずしもすべっこい肌である必要はなく、さび色で紙ヤスリみたいであっても構わないじゃないか! なにこの歳になれば、相手が最悪男でも猫でも、我慢しよう


「あと十分で仕事が上がるんだよ。この建物の二階にある喫茶室でお茶を飲もうよ。隣のサイゼリアの店でスパゲテイをごちそうしてあげる。なに、スーパーで稼いだ日銭の5000円なんて全部食っちまえばいいんだーーー、余ったら全部上げるよ」

女の欲張りに年齢制限はないから、これで大抵上手く行く。


結果として社会とつながりを保ち、晩飯も旨くなる。仕事場のスーパーまで歩いて通えばジムの代わりの体操にもなるーーー。孤独感に陥りやすい老人の心のケアにもなるし、声を失う事も防げる(=若い人には想像出来ないでしょうが、話をする機会が減った老人(最後に人と話をしたのは十日前だ、というのは良く聴く話)は、声が「出難く・小さくなり・かすれて・結果的にしゃべれなく」なるのですよ)。


そんなアルバイトで、入れ墨もしてなければ、老後は極めて明るい表情をした労働者階級に生まれ変われる訳だ。プライドと金額に拘らなければ、仕事は世に沢山あるから、つまりは何時でも「幸せに成れる」チャンスが転がっている。

けれども現役時代に出世をした人は、幸せに成るのが難しいのかもしれないーーー。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ