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ウチへ来給え

2.ウチへ来給え

 会社設立の頃には、いや正直を言うとつい近年まで、社員達が年を重ねて定年退職に達するまで「居付く」なんて、想像だにしなかった。「そんな無責任な!」と苦情が出そうだが、聖人君子だから嘘はつけない。


 これに理由が無い訳ではない:ウチの商品(=大型ボルトの油圧式の締結工具)は価格がべらぼうに高い上に、何処にでも数多く売れる訳ではない。お客も半分騙されて買うようなもんだ、と言う人さえいる。売れれば金額が張るから大きいが、売れなければ坊主(=業界用語で受注ゼロ)。営業マンは王様か乞食のどちらかに属し、中流階級というのが存在しない。


 例えば昨年末の賞与の査定時に、自他ともに認めていた王様、長年トップの成績を誇っていた営業マンH君の賞与が、突然ゼロ支給(=乞食)となった。毎回100万円を超える賞与を手にしていたのにーーー、である。

 崖から突き落とされたみたいに本人もショックで相当に驚いたが、なに理由はこうだ: 長年のトップに慢心して半年ほど手を抜いたら、神様は良く知っていて、途端に社内で売上最下位(=乞食)となったからである。


 けれども、彼の名誉の為に補足すれば、その半年後の現時点では王様トップグループに返り咲いている。そんな次第で営業マンの仕事は、油断禁物でスリル満点。スリルを味わいたければ、デイズニ―ランドでジェットコースターに乗るより、ウチへ来たまえ。

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