追伸:後記
後記
開発研究の仕事を報告しようと思って書き始めたのに、書いている内にえらく長い話になった。これを書いているさなかに、つい先月の事で、やれ嬉しや!大手T社からテンションナットの注文を貰った:
・M80(外径は15.5センチになる)の大サイズが64ケ
・受注金額は、総額で500万円丁度。
・客は「振動する機械」(=大型コンプレッサー)の組み立てに使う。
売りたいがために、営業マンS君がちょっと安くし過ぎたかもしれない。
M80のサイズは初めてだが、この機会を利用して、コスト低減の為に下請けへの注文数は、受注数より多めにして80ケ発注した。余分の16ケがウチの在庫となる。次に誰かから3ケの注文を言われたら、「即納です!」と胸を張れそうだ。こういう風な手順で、順次在庫を増やして行こうかと思う。「ついでに余分に発注する」というのも、実は貧乏人特有の発想の一つである。
先に、線路の枕木のちっぽけなボルトなんてーーー、とあたかも卑下するように書いていたら、バチが当たってエライ事が起きそうだ。先のM80でさえ、小さすぎた。
まだ受注に至っていないが、ある大手から巨大サイズ2ケの引き合いを得た。M240(直径24センチのボルト用)で、軸力(=締付力)が1250トン。分かるかい、この大きさ?
蒸気機関車一台が約100トンと言われるから、機関車10台分以上を吊り下げられるだけの締付力!となる。超巨大さに腰を抜かしそうになった。が、さりげない風を装って2ケ合わせて、「140万円+納期1.5ケ月」の見積書を提出した。
テンションナットの重量だけでも、125kgが2ケ。ああ、しまった、運賃15万円を加算するのを忘れた!
もし受注したら、心臓に毛の生えた私でも流石にチョットたじろぐから、顧問をやってもらっている神戸大の教授に、設計図の点検をお願いするつもり。礼もしなくちゃなるまいて。まだ外にも幾つか問題があるのに気付いたが、その話は又今度ーーー。
本当に、おわり




