新規の発明
7.新規の発明
新製品の開発に絡んで技術問題とは別に、考えさせられる事があった。続いてそれを紹介したい:
実を言うと、本稿の主題であるテンションナットに続いて、外にも「決して緩まないワシャ」・「それを緩めるための特殊工具」・「決して緩まないナットキャップ」を、私は追加的に発明した。詳細は省くが、経験から考えてどれも実用的である。私一人に次々発明が出来るのを不思議に思うかも知れないが、実は「当の本人」もそう感じている。
いやなに、テンションナットの実験を繰り返しながら、幾つかの問題にぶち当たった時に、困ってしまい、その解決を思案していた時に「ついでに」思いついたものである。オマケだ。
改めて弁理士に説明すると(ロクでもないと言う代わりに)「三つともユニークで、世界に無い」と正反対におだてた。けれども、もう面倒なので特許化はしない積り。きっちりした物にする(=実用化)には、またそれなりに「実験回数と月日」が掛かるからで、切りが無い気がする:「歳が幾つだと思ってんのよ!?」とまたしばかれる。
小さなボルト(=一般的にネジと呼ばれる)の締結となると、研究する人は沢山いる。例えば乗用車の組み立てに使うネジや、新幹線のレールの枕木(枕石)に使われるボルトなどの分野である。精々M16~24程度まで。
これに反してテンションナットが得意とする大きなボルト(=M30程度以上)の締結となると、元々研究する人が数少ないから(=皆無に近いと思う)、研究や技術が遅れている。小さなM8程度で実験を行って、M100の巨大ボルトの振る舞いを拡大推測するみたいな処がある。無論間違いだ。
だから私みたいな素人に毛の生えた程度の者でも、「三分ほど、ちょこっと考えたら」すぐ発明につながるという特殊な事情がある。




