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致命的な問題

3.致命的な問題

 と書いたが、実はそんな困難も驚くに値しない位致命的な別の問題がある: 「語学力を生かして輸出もやりたいし、(この製品を作る)工場を建てる必要があるなーーー」と配偶者へつぶやいた処、「アンタ、自分の歳が幾つだと思ってんのよ!?」としばかれた。


 女のまゆがややつり上がり気味なのが、仁王さんみたいで長年好ましい特徴と思っていたが、こんな場合は冷酷に映る。衝撃でたじろいだこっちは、まゆが撫で肩になりはなはだ索漠たる顔になった。


 「幾つと思ってんの!?」と訊かれたが、こっちは黙っていた。女の高飛車な口振りから察すると、先々150までが精々という意味らしい。原発の原子炉じゃないから、手入れをしても200年まで持たせるのは無理なようだ。となればーーー、収益を上げて「特許が有効だった!」と、ドンと胸を叩く終点をこの目で見る為に、計画を前倒しで急がねばなるまいてーーー。 


 女の機嫌の良い時を見計らって、取り合えず試作品を作る為に400万円の専用機械一台を購入したいと申し出た(彼女は財務の総責任者である)。本当はAI付き高級機械だから800万円はするのだが、半値に言った。支払いはローンだから、月間の低いリース代だけを言えば、元値の800万までは言わなくて済む。が、敵は老獪である:「よろしい、お安い御用よ。それじゃ、来月からローン分だけ毎月お小遣いを減額します」と、こっちの足元を見た。


 「男のくせに、遊びと仕事と一体どっちが大事なんだ!」と訊かれたら、無論私は前者。因みに、女のくせに配偶者は後者。正反対に水と油で、だからこそ二人は異性同士。

 遊びの小遣いの減額だけは、何としても避けて貰わないといけない。仕方なく女に逆らわず、機械を買うのも諦めた: 


 人類進化の歴史とダーウインの進化論を読んで私が学んだのは、命を守り幸福を追求する上で、「女に逆らわない」のは不可欠だという事。が、大抵の男はバカで女に逆らうばかりして、何故女より寿命が短く自分が150前に早々と死んでしまうのか、考える人は少ない。


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