しゃべれる
英会話の練習でよく聞くのは、「教わって仮に上達しても、話す機会が年に一度あるかないかだから、直ぐに忘れてしまう」という嘆きである。三ケ月毎に海外旅行する訳でもないしーーー。息子達の陥っている状況が正にこれであった。
誰に限らず、使わなければ錆びつくのは当たり前だ。本人が不勉強でもなければ悪い訳でもない。が、可愛そうな事に、マスター出来なかった結果だけを捕えて大抵の生徒がコンプレクスを持ち、自分の「不勉強が悪い・頭が悪い」と思い込んでしまう。
けれども英作文に限っては一旦マスターしたら、書くのは(喋る機会が仮に全く無くても)忘れないし長期に技術として維持できる。その証拠が私。T社の輸出部を辞めて転職後、私は何十年と英語をしゃべる機会は殆どなかったし、今でさえ日常的にある訳ではない。それでも、ちゃんと(日本語と同じスピードで)書ける。忘れないのである。
日常的に使わないから、無論忘れる単語は数多いが、それは辞書を引けばよい。日本語の手紙を、忘れがちな漢字を辞書で確認しながら書くのと同じ。そして、先に書いた通り頭の中の黒板を読み上げるだけだから、相手の言う事さえ分かれば、(滑らかでなくても)何時でも喋れる事になる。




