唄
8.唄
引き続いてジョークを語る者として見落としてはいけないのが、唄。我が国には、ユーモアに満ちたのが多い。数例を挙げると:
・「♪花は何の花 つんつんツバキ 水は天から貰い水ーーー」(五木の子守唄)
☆天から貰い水とはーーー「とぼけて」いるじゃないの!
・「♪俺は村中で一番 モボ(=モダンボーイ)だと言われた男♪ウカレのぼせてーーー」(エノケン)
☆時代を風刺した面白い歌。
・「♪ーーーてな事言われてその気になって、結婚したのが大間違い」(植木等)
☆コミックで愉快な歌。
・「♪今に夕立来るかいな カミナリさまが ピッカラ・チャッカラ・ドンガラリーーー」(座敷唄)
☆太鼓が鳴ってユーモラスなオーケストラになっている。お茶屋で唄われたのだろうか。
・「♪むこう横丁のお稲荷さんへ一銭あげて、ざっと拝んでお仙が茶屋へ、腰をかけたら渋茶を出して、渋茶よこよこ横目で見たらばーーー」(江戸の手毬唄)
☆ざっと拝んでーーー、なんて心理を突いて憎い。お仙は昔実在のお茶屋の美貌の看板娘だったらしい。唄を聞いたら会いたくなる。しかし、こんな物語風な唄は、どうやって出来上がったんたんだろうか?
・「♪春になればーーーどじょっこだの・ふなっこだの 夜が明けたと思うべなーーー」(民謡)
☆ユーモラスな唄。
・「遊びをせんとや生まれけんーーー」(梁塵秘抄)や「鳥獣戯画の絵巻」(マンガ)は、歴史的に我が国最古のジョークに思う。




