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おもろい奴(2)
8.おもろい奴(2)
私の説にはいかがわしいものが多いが、これは可成りまともな方。考えてもみ給え、(恐らく)誰でも初対面の人の前では「良く思われたい」と外見を「取り繕う」。女ならお化粧をするし、男なら背広とネクタイの柄を選ぶ。無意識に本来の自分以上に「膨らませて」見せたい。演技一つで多少とも有利となるなら、誰だってやるさ、タダだもの。
人生という長丁場の舞台を与えられて、誰しも状況に応じて演技をやる役者と言える。「おもろい奴ちゃ!」を演出して、何が悪かろう。人が錯覚して「おもろい」と褒めるなら、観客を上手に欺いた名演技というわけだ。演技期間が短ければ本来の自分に戻ってしまうが、それがロングランでヒット興行となると演技の役が身に染みつく。お陰で私は「ジョーク慣れ」した人間へ変化してしまった。
人生何が役に立つか分からないもので、後年(外資系会社として)起業した後でも、この名優演技を引き継いで役立った。先ず、(ジョーク慣れして)ケタケタ笑うようになったから内向的な姿と形が、一見して「外向的」に見えるようになった。




