表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
383/1692

ボタン

4.ボタン

 同じ先の彼と同道していて、外国人客の宿泊も多いシテイホテルであったが、たまたま上階へ行くエレベータに一緒に乗った。「上へ」と書いてあるボタンの直ぐ下へ英語で「Push a Button」(=ボタンを押せ!)の併記があった。彼はそれを見てニヤリとするや、「Push a Button!・Push a Button!」と聞こえるようにつぶやいて、私の背広のボタンを押したのである。


 何の冗談かと怪訝な顔を向けると、彼は「エレベーター」のボタンを指して、「Push“the”Button!」と再度ニヤリとした。


 日本人に「a」と「the」の区別は難しい。けれども、英語圏の人が間違える事はない。正しい意味は:

・「Push a Button」:どれでもいいから、好きなボタンを1つ押せ!(→だから彼は私の背広のボタンを選んで押した)

・「Push the Button」:このボタンを押せ(=他のボタンではいけない)


 「Push a Button」の(間違った)併記を見て、「ここのホテルマンは英語を知らない!」と生真面目に批判するのが、英語を聞きかじった日本人とすれば、私の背広のボタンを押すのがジョーカーである。

 なるほどと思って笑った。冠詞は日本人の間違えやすい処で、良い勉強になったと胆に銘じた。外国語と日本語の違いの典型例で、面白い。どのホテルもそうとは言わないが、読者の皆さんもエレベーターに乗った時には、注意を払って見給え。

 大概「Push」一語だけが多いが、無論コレなら正解である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ