結婚以来の苦労
3.結婚以来の苦労
ココまで克明に説明を加えてもーーー、「何を言っているんだかーーー、可笑しくも寂しくも無い」という人は実際にいる。せめて寂しがって欲しいとは思うが、そういう人を私はとても苦手だ。
因みに、その一人が私の配偶者である。ユーモアやジョークに、こっちはカエルみたいにケロケロ転げ回らんばかりに面白がるのに、他方はシラ~と白い眼を向ける。噛み合わない事はなはだしい。結婚以来、私は苦労している。
ユーモアやジョークはキャッチボールに似ている。投げ手に対して上手く反応する理解者が要る。しかも、双方に「遊び心」が無いと成り立たない。「好美ちゃん(=恥ずかしながら、配偶者の名)、遊びましょ!」と、こそばゆがらせても「いやよ!」とニラミ返されるようでは、どうにもならない。
可笑しく感じるかどうかは、その場の雰囲気・環境・受け手の知識や経験も要る。例えば極貧の難民キャンプなら、どんなユーモアもジョークも通じないだろうし、反って反感を買ってしまう。分かるように、心の「ゆとり」が不可欠だ。孤独感が強く自分の周りに防壁を築いていては難しい。
更に意外なのは、性別が大変重要である。女性に多いが、生真面目で固体みたいに堅過ぎてはさっぱりだ。
因みに、好美ちゃんは正義の憤怒が炎のように燃え上がるフランス革命のジャンヌ・ダルクタイプ。炭素鋼を焼入れしたみたいな強靭な免疫性があるから、もし叩いたらコーンではなくキーンと鳴る硬さ。(何時も遊び盛り状態の)夫がキーン!に苦労する訳で、先の英国人教師のユーモアで私以外誰も笑わなかったのは、私が一番ヤキの足りない軟体生物だったせいかも知れない。




